本学会による意見表明について
内閣総理大臣の日本学術会議会員任命拒否問題について,本学会では,11月8日付けで声明を表明いたしました。同声明は,常任理事会で原案を作成した後,本学会の「意見表明に関する申し合わせ」に従い理事会で承認されたもので,金子治平会長を代表者とする「本学会の声明」として公表されました。
内閣総理大臣の学術会議会員任命拒否問題をめぐる経済統計学会からの声明
声明を公表した経緯と理由について
本学会は「社会科学に基礎をおいた統計理論の研究」を目的とする学会(学会則第2条)として,戦後60年にわたり活動を続けてまいりました。その実績を踏まえ,本学会は,日本学術会議の協力学術研究団体に認可申請し登録されています。
周知のとおり,日本学術会議は,日本学術会議法の前文で「日本学術会議は,科学が文化国家の基礎であるという確信に立って,科学者の総意の下に,わが国の平和的復興,人類社会の福祉に貢献し,世界の学界と提携して学術の進歩に寄与することを使命とし,ここに設立される」としています。また,その第1条2項で「内閣総理大臣の所管とする」とはしているものの,その第3条で「独立して」次の事項を職務とするとしています。
つまり,日本学術会議に課せられた使命とは,「科学に関する重要事項を審議し,その実現を図ること」,「科学に関する研究の連絡を図り,その能率を向上させること」であり,本学会が協力学術研究団体に認可申請したのも,このような日本学術会議の趣旨に賛同し,協力学術研究団体として学術会議に協力したいと判断したからに他なりません。
以上のような本学会の立場からすると,日本学術会議がすでに決め,国も確認してきた会員の選考手続きを経て,総会で決めた新会員候補の名簿の重みは大きいと言わざるを得ません。それにもかかわらず,内閣総理大臣が名簿から6名を除いて任命したのは理解に苦しむもので,本学会としては,任命権者である内閣総理大臣に,なぜ推薦名簿にあった6名の研究者をあえて任命しなかったのか,その理由の説明を強く求めることが必要であると判断し,声明文を公表することといたしました。
なお本声明文に関するすべての対応は常任理事長が執り行います。問い合わせ等は,下記宛にお願いします。
2020年11月8日
上藤一郎(常任理事長)
〒112-0013 東京都文京区音羽1-6-9
音羽リスマチック株式会社 内
経済統計学会本部事務局
TEL:03 (3945) 3227(代表)
E-MAIL:
学会員の方 :toiawase(at)jsest.jp
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